By Jonathan Joe Morgan
Updated on December 28, 2018, 19:02 PM

2019年はSTOバブルが来る?


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仮想通貨にとって厳しい冬が続くなか、2019年はセキュリティー・トークン・オファリング(STO)が盛り上がると、一部の投資家は予測している。なかには、STO効果でブロックチェーンに1兆ドルの資産が集まると予測する声もある。

 

STOはICO(イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨技術を使った資金調達)と似ているが、ICOが法令上の規制や報告義務の少ないユーティリティー・トークンを発行するのに対して、STOは発行体がトークンを証券の一種と認め、一般の証券と同じ規制を受ける

 

「私の予想が正しければ、近年最大の投資チャンスになる可能性が高い」と、仮想通貨専門ファンド「ポリチェーン・キャピタル」(サンフランシスコ)のオラフ・カールソンウィーCEOは10月にベルリンで開かれたWeb3サミットで語った。

 

LongHashがカールソンウィーに詳しい話を聞いたところ、例えば、今後10年間に、数兆ドル相当の不動産が証券化され、その取引履歴がブロックチェーンに記録されるようになる可能性があると語った。

 

ブロックチェーン関連コンサルティング会社マテリアム(ロンドン)のビネイ・グプタCEOも同意する。「STOはいつ爆発的に増えるか。2019年、もしかすると2020年かもしれない」

 

STOは24時間取引と、プログラム可能な株主ガバナンスを提供すると同時に、流動性を高め、上場可能な企業数を増やす働きがあると、資金調達プラットフォーム「ニューファンド」(ベルリン)のアレックス・モレは指摘する。また、STOはコスト、市場摩擦、そして「率直に言って、通常の銀行が必要とするバックオフィスの人員」を減らせるという。

 

STOに参加できるかどうかは、トークンが発行される場所の証券関連法によって決まる。米国の場合、年収20万ドル以上の適格投資家に限定されるだろう。

 

11月にベルリンで開かれたテッククランチ・ディスラプトのパネルディスカッションでも、STOが話題になった。資金調達プラットフォーム「ファンダビーム」(エストニア)のカイディ・ルサレップCEOは、STOが次の仮想通貨バブルを生むとし、その規模は今後2年間で1兆ドルに達するとの見方を示した。

 

アウトライアー・ベンチャーズ(ロンドン)のジェイミー・バークCEOも、2019年中にSTOの「上昇サイクル」がやってくるとの見通しを示した。グプタは、「プライベートエクイティー専門のヘッジファンドが、極めて複雑な金融商品を提供するようになるだろう」と語った。

 

ビットコインが2万ドルを付けた後に仮想通貨バブルがはじけた背景には、ユーティリティー・トークンが個人投資家への無差別的に売られたことがあった。一方、STOは証券としての規制を受ける代わりに、これまでリスクの高い投資を認められてきた金持ち投資家だけでなく、幅広い個人投資家にも投資の門戸を開く。

 

では、こうしたトークンを購入した投資家は、その後どこで取引をするのか。2019年に活況を呈しそうなのが、オープンファイナンス・ネットワーク(OpenFinance Network)とtゼロ(tZERO)だ。コインベースも、仮想通貨証券の主要交換所の座を目指すと公言してきた。

 

コインベースは米証券取引所(SEC)の登録投資顧問(RIA)であるだけでなく、ブローカー・ディーラー免許と電子取引システム(ATS)免許も取得している。一方、バイナンス(Binance)は、マルタ証券取引所とSTO取引プラットフォームを立ち上げる計画だ

 

「現在新たに参入してくるのは、年金基金やヘッジファンド、プライベートエクイティーばかりだ」と、グプタは語る。だが、「仮想通貨トークンとして取引できる資産がこれだけ増えると、ほぼ誰もが自分にとって最適のポートフォリオを構築できるようになるだろう」

 

STOプラットフォームの「ポリマス(Polymath)」は、コインベースとバイナンスと提携交渉を進めているほか、技術的互換性を確保するためオープンファイナンスネットワークとtゼロとも緊密に協力しているという。ポリマスは、各STOに誰が参加できるかは発行体が「ケースバイケースで」決めるととしているが、発行地の法令も大きな影響を与えるだろう。

 

とはいえ、誰もがSTOブームの到来を予測しているわけではない。仮想通貨交換所エバーコイン(サンフランシスコ)の共同創業者ミコ・マツムラは、2019年にSTOバブルも、2017年並みの仮想通貨の上昇も起きないと思うと言う。「2019年後半まで流動性の低迷は続くだろう。STOは規制され、資産の裏付けも必要だから、こうしたサブクラス資産にバブルが起きる危険性は極めて限定されている」

 

グプタはSTOの増加を予測しつつ、仮想通貨バブルとは性格が異なるものになり、「乱高下はずっと小さく、一般の金融市場と大きく似る」だろうと語っている。その一方で、STOブームは、個人投資家の間でアルゴリズム取引が広がるきっかけになる可能性と指摘する。

 

「自分でアルゴリズムをつくったり、自分に合ったアルゴリズムをダウンロードしたりして、独自のポートフォリオを構築する人が増えるだろう」とグプタは言う。「アルゴリズム金融が万人に訪れる」




(英語版:https://www.longhash.com/news/security-tokens-described-by-investors-as-next-crypto-bubble

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