By Charlie Custer
Updated on October 08, 2019, 12:00 PM

瀕死のICO市場に起死回生はあるか?


2017年のICOバブルは、遠い昔のことになってしまった。それは衆目の一致するところだ。確かに、ICOのホワイトペーパーさえしたためれば、誰でも何百万ドルも調達することができた‥‥そんな時代もあった。バブルが去った後、ICO市場は成熟期へ向かったかに見えた。以前の勢いこそなかったが、状況は明るいように見えた。この状況に対し、ブロックチェーン専門のデータ分析会社 Elementusは、2018年8月、「すべてのシグナルがICO市場の成熟化を示している」とレポートした。

 

結果は‥‥ハズレ。残念ながら1年後の現在、シグナルはまったく逆方向を指し示しているように見える。

 

情報追跡サイトの『ICOウォッチ』は、ホワイトペーパーに「2018年または2019年に完了予定」と記載のある、すべてのICOプロジェクトを調査した(2019年8月現在)。結果はかなり悲惨なことに。実際、この調査を行った当のICOウォッチが、我々が行った8月末のデータ収集を最後に廃業してしまった‥‥というありさまだ。

 

(当社の調査を再検証したい方のために、ここにデータセットを保存しておく。このデータセットには、IEOは含まれていないことに注意されたい。2019年、IEOは平均的なICOよりも高いパフォーマンスを上げている。なお、STOも含まれていない)

 

下記のグラフを見て欲しい。新規のプロジェクト数を見るだけで、ICOブームが急激に落ち込んだことが分かる。2018年1月に市場が弱気に転じてからも、ICOはまだ、毎月百件以上のペースで行われていた。ところが、2019年には、新しいプロジェクト数の「ほとんどゼロ」になった。

 

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ひとつのICOが集める資金額も減少している。下記のグラフでは、各ICOの「受付終了日」と「資金調達額」に基づいて、ドット(点)がプロットされている。2018年には、実に14のICOプロジェクトが5,000万ドル以上の資金調達に成功した。ところが、2019年に5,000万ドル以上の資金調達に成功したプロジェクトは1つ(Contentos)のみ。そのプロジェクトも、実質的には2018年のプロジェクトであり、ICOは2019年1月3日に終了している。

 

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ICOウォッチのデータによると、2018年のICOによって集められた資金の総額は、76億ドルを超えている。一方、2019年は、8月末現在、わずか3億3,800万ドルにすぎない。9月以降を加味しても、前年比で95%以上減少する見込みだ。

 

しかし、興味深い事実もある。ICOウォッチのデータを見ると、2019年における数少ないICOプロジェクトは、平均的に見て2018年のICOよりも「質が高い」ことを示唆している。調達総額ははるかに少ないにもかかわらず、2019年のICOの中央値は680万ドルで、2018年の中央値 13万ドル($131,814)をはるかに上回っている。また、各ICOプロジェクトのテレグラムにおける「平均ファン数」は、2019年は2018年の倍以上となった。

 

ICOが信じられないほど急激に凋落した原因は何だろう。それは、各国政府がICOバブルの際に起きた詐欺事件にヒステリックに反応したためだ。世界中で「規制」と「監視」の強化が行われた。規制の厳格さと透明性の要求に耐えきれず、ICOは特に米国からの逃避が顕著だ

 

今後、ICOの復活は考えにくい。新規のプロジェクトが2018年のプロジェクトよりも質が高いものであったとしても、ICOにより資金を調達し、その後、長期にわたって存続するトークンは、おそらく二度と現れないだろう。暗号通貨取引所はすでにICOに見切りをつけ、代わりにIEOを売り出そうと必死だからだ

 

ICOのビジネスモデルが2020年に完全に消滅したとしてもまったく不思議ではない。


( 英語版:https://www.longhash.com/news/the-ico-is-well-and-truly-dead )


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