By Longhash
Updated on January 22, 2019, 9:57 AM

効果的なエアドロップを行うにはどうしたらいいか


仮想通貨の世界における「エアドロップ」とは、トークンをユーザーのブロックチェーンアドレスに無料で配布することを意味する。エアドロップは強力なマーケティングツールになる可能性があり、うまくやれば、ブランドの知名度を高めたり、コミュニティを育てたり、新たなトークンエコノミーにはずみをつけることもできる。

 

2017年、OmiseGOというブロックチェーンの新興企業が、自社トークンの普及とイーサリアム・コミュニティへの還元を期待してエアドロップを実施した。配布する相手は、イーサ保有者のうち口座残高が0.1ETH以上のユーザー全てで、たとえ本人からの依頼がなくても、OmiseGOのことを聞いたことがなくても構わない。これ以降、OmiseGOと同じようなやり方でエアドロップが行われることが多くなった。

 

だがこの手法は本当に有効なのだろうか。エアドロップの招待メールをスパム扱いするユーザーは多いし、たとえ招待に応じたにしてももらったトークンを使うことにまるで関心がない人もいるかも知れない。ただでトークンを配ったところで、相手が無関心であればコミュニティ建設の効果的な戦略にはなり得ない。

 

どうすればエアドロップの効果を高めることができるのか、その答えを求めてわれわれはデータの分析を行なった。

 

ここでは仮想通貨ステラのネットワークでエアドロップを行うと仮定するが、この分析のやり方は他のブロックチェーンネットワークでも有効なはずだ。

 

エアドロップの目的は、ステラのネットワークで立ち上げたばかりの新しいトークンの宣伝とする。幽霊アカウントや、トークンを欲しがらない人や使う気のない人にトークンを配って金を無駄にするのは嫌だ。さて、どうすれば理想的な配布相手を洗い出すことができるだろうか。

 

まずはステラ・ネットワークにおける前月の取引記録を調べ、エアドロップの対象にふさわしいアクティブなユーザーを探し出すのが理にかなっているだろう。また、一般的にトークンを多く保有している人の方が新たなトークンへの関心が高く、使うことにも積極的だろうという前提から、これらのユーザーがどのくらいのトークンを所有しているかも確認しておきたい。できることなら本当に使ってくれそうな人だけに配りたいからだ。

 

さてデータはどうなっているだろう。まず、ステラのXLMコインの残高分布を調べてみた。

 

グループ.png

 

残高が10XLM未満というアドレスが全体の87%を占めた。新しいプロジェクトを始める上では参考になる数値だが、今回のわれわれの目的にはあまり役に立たない。

 

ユーザーの取引履歴のほうが指標として使い物になりそうだ。ユーザーがどのくらいコインを保有しているかは、必ずしも重要ではない。私たちが求めているのは手持ちのコインを使って何かをする意欲のあるユーザーだ。アクティブユーザーは、ブランドコミュニケーションやネットワークの成長にも寄与してくれるはずだ。

 

グループ 2.png

 

ステラ・ネットワークにおける前月のそれぞれの口座の取引数を見たところ、10件未満の口座が全体の89%以上を占めることが分かった。さらに、各口座の残高と取引数の間にはっきりした関連は見つからなかった。残高が多いからと言って多数の取引をしているとは限らなかった一方、残高が少ないからと言って取引の頻度が低いとも限らなかった。

 

できれば残高が多く、なおかつ取引を頻繁に行っている人を選びたい。そうしたユーザーを探すため、われわれは以下のような簡単な公式を用いてそれぞれの口座のデータを点数化した。

 

                                                  点数=log(残高×取引回数)

 

このアプローチでは、取引回数と口座残高の両方から導き出した点数をそれぞれのユーザーに付与する(ここでは点数が巨大な数になるのを避けるため対数を使った)。点数が高ければ高いほど、われわれのエアドロップのいいターゲットである可能性が高いということだ。

 

下の表は、このやり方で導き出した上位20位の口座アドレスだ。

 

ueditor_2a273c8ba30f225ae45c446ec7b699da.jpg

 

この分析手法なら、数多くの対象外のアドレスや幽霊アドレスをふるい落とすことができる。また、エアドロップの対象を、仮想通貨で投資をしており、なおかつアクティブなユーザーに絞ることができる。

 

さらに深く分析したいなら、進んだデータ分析手法を使って各ユーザーの仮想通貨の保有や使用のパターンを調べることもできる。その方が単に残高と取引回数を調べるよりもいい指標となるかも知れない。できることなら、コインの保有期間も分析対象に入れたいところだ。そうすれば長期的に保有するタイプの投資家か、短期で回る投資家かが分かる。また、ユーザーの過去の取引から怪しい口座との取引歴がないか調べることもできる。

 

この種の分析を行うことで、エアドロップのターゲットへの理解を深めることができるし、幽霊アカウントに配布してトークンを無駄にしたりすることもない。

 


(英語版:https://www.longhash.com/news/199

MORE NEWS