By アラン・チャン
Updated on January 21, 2019, 15:21 PM

ビットコインは「デジタルゴールド」になったか


 

ビットコインは、供給量が固定されている金融資産として、金(ゴールド)と比較されることも多い。世界経済が不安定な時期も力強いパフォーマンスを見せ、資金の避難所になる「デジタルゴールド」とも言われてきた。例えば、2015年6月にギリシャが債務危機に直面したときも、2016年6月にイギリスでEU離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票が実施されたときも、2016年11月の米大統領選でドナルド・トランプが当選したときも、ビットコイン市場は堅調だった。

 

ただし、次のチャートのとおり、ビットコインと金の相場にそれほど強い相関関係は見られない。


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このチャートはトレーディングビューのデータをもとに、シカゴ・オプション取引所(CBOE)の金の価格と、仮想通貨取引所ビットフィニックスのビットコインの価格の動きを180日間たどっている。2017年以降の大半は負の相関関係を示しており、正の相関関係が見られるのは2018年9月~11月だけだ。

 

長期的には、ビットコインと金の価格に関連性はない。過去1年間を見てもわかるとおりだ。米中貿易戦争などリスクの高い出来事が起きても、投資家はビットコインを避難所として使おうとしなかったようだ。むしろ、ビットコインの価格は急落している。

 

はたして、ビットコインは「デジタルゴールド」なのだろうか。少なくとも、今は違う。ビットコインは、避難所というよりリスク資産だ。例えば、米ドルとの相関関係を見てみよう。


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このチャートはトレーディングビューのデータをもとに、ドルインデックス(米ドル指数)とビットフィニックスのビットコインの価格の関係を180日間たどっている。2017年5月以降、ビットコインと米ドル指数には強い負の相関関係が見られる。2018年1月は米ドル指数が90まで下落した一方で、ビットコインは2万ドルに急騰している。2018年以降、米ドル指数は90から96まで持ち直したが、その間ビットコインは坂道を転げ落ちて現在4000ドル。リスク資産の典型的な特徴だ。

 

米ドルが弱いときは流動性が高まり、市場はリスクをより好むため、資金はリスクの高い資産に流れやすい。それに対し、米ドルが強くて世界的に流動性が低くなると、市場のリスク志向が下がって、資金はリスクの低い資産に流れる。

 

ビットコインへの投資はリスクヘッジからリスクに変わりつつあるかもしれないが、デジタル資産市場そのものは成長しており、投資家の構成も変わっている。ビットコインの時価総額は、2016年はまだ約100億米ドルで、一般の投資家かビットコインを信奉する人(あるいはその両方)が投資していた。彼らはリスクの高い世界的な出来事が起きるとビットコインに資金を投入し、価格を押し上げる。これはビットコインをリスクヘッジに利用しているように見えるかもしれないが、実際は投機対象だった。

 

ビットコインの時価総額が1兆ドルに達すると、しだいにプロや機関投資家が増えた。彼らは、ビットコインは供給量が固定されているから資金の避難所になる、という考え方に賛同しない。流動性が低くなると、彼らの資金はよりリスクが低い資産に流れ、ビットコインが下落するというわけだ。

 


(英語版:https://www.longhash.com/news/198

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