By Margarita Sivakova
Updated on April 22, 2019, 13:49 PM

世界のセキュリティトークン規制状況

 

セキュリティトークン・オファリング(STO)が、仮想通貨の世界の新たな注目トレンドだと考える投資家は少なくない。

 

ものすごく簡単に言うと、セキュリティトークンとは、証券の保有を伴うブロックチェーン上のトークンのことだ。株を保有する場合と似たように、ある会社のセキュリティトークンを手にいれると、発行会社の持分の一部を取得することができる。

 

少なくとも理論上は、セキュリティトークンは伝統的な株式の利点と、ブロックチェーン・トークンの利点を組み合わせつつ、それぞれのマイナス面を避けている。

 

セキュリティトークンは安全で、透明性が高く、便利だが、伝統的な株取引は必ずしもそうではない。また、セキュリティトークンは発行会社の持分を手に入れられるが、従来のブロックチェーン上のトークンの多くは現実世界のモノの所有を意味しない。

 

もちろん、セキュリティトークンはいいことづくめではない。なかでも難しいのは国によって規制がまちまちなことだ。STOは登場して間もないため、ほとんどの国ではまだ法規制がまったく存在しない。つまり法的にはグレーゾーンにあるということだ。

 

そこで私たちは、世界の国のSTO規制状況を調べ、STOに優しい国とそうでない国のマップを作成してみた。分類は次のとおりだ。

 

非常にやさしい

おおむねやさしい

一定の規制あり

厳しい規制あり

 

それぞれの評価は、金融市場規制(目論見書の免除、投資家の資格など)、ブロックチェーンを特別に規制する法律の存在、STO発行手順、これまでのSTO件数、法律に違反した場合の処遇など、多くの要因を考慮した結果に基づく。

 

(筆者マルガリータ・シバコバはリーガル・ノーズCEOを務める)

 

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STO法的準拠の困難度

備考 


北米



米国

一定の規制あり

米国はSTOと金融市場全般についてかなり厳しい規制が敷かれている。

STOの多くは購入者から米国市民を排除するか、フォームDを提出して免除の適応を受けている。

カナダ

一定の規制あり

トークン購入を投資契約とみなしている。米国と非常によく似ている。

ヨーロッパ



マルタ

非常にやさしい

マルタの規制当局(MFSA)は、STO規制の指針を発表していないが、マルタ自体はブロックチェーン業界にとっても最もやさしい国の一つで、ブロックチェーン法があるなど世界の国の一歩先を行っている。

リトアニア

非常にやさしい

トークンが証券かどうか判断するテストを作った数少ない国の1つ。ただし、トークンが証券として認められても、税務上は一般的な証券と同等に扱われるわけではない。

英国

おおむねやさしい

英金融行動監視機構(FCA)は、詳細な諮問文書を作成しており、さまざまなタイプのセキュリティトクン(株、債券、ワラントなど)をカバーしている。

ドイツ

おおむねやさしい

あるトークンが金融商品の定義に該当する場合、証券分野に関する通常の国内法とEU法が適用される。

リヒテンシュタイン

おおむねやさしい

テクノロジー全般に対して進歩主義的アプローチを取るが、現在はまだビジネスに関してはデューデリジェンスの検討が行われている。

スイス

おおむねやさしい

どの国よりも早くトークンのカテゴリーや発行後の売買を定義した。

エストニア

おおむねやさしい

エストニア政府は社会のデジタル化・グローバル化に莫大な投資をしており、EU域内でデジタル起業可能な電子住民票を発行している。

フランス

おおむねやさしい

セキュリティトークンの発行者は、リスクを含め発行に関する情報をすべて投資家に提供しなければならない。

ルクセンブルク

一定の規制あり

ルクセンブルク金融監督委員会(CSSF)は、STOによる投資は、国家レベル・国際レベルでほとんどの保証はないとしている。

英領ジブラルタル

厳しい規制あり

ジブラルタルは、トークンを含む資金調達方法について法案を提出する計画。とはいえ、ブロックチェーン・ビジネスにとって最も厳格な姿勢を示していることで知られる。

キプロス

厳しい規制あり

STO規制は存在しないが、仮想通貨の派生商品とその取引の法的性格を明確に定義している数少ない国の1つ。

アジア太平洋



日本

厳しい規制の可能性

現時点ではSTOのみを対象とした声明はないが、日本仮想通貨ビジネス協会が、セキュリティトークンとユーティリティトークンを明確に分ける規制を当局に働きかけている。

香港

おおむねやさしい

香港は中国の特別区で、独立して法制度を持つが、中国本土との経済的統合は進んでおり、「ラウンドトリップ投資」には中国当局の許可が必要。

アラブ首長国連邦

おおむねやさしい

ドバイ・マルチ・コモディティーズ・センター(DMCC)、ドバイ・シリコン・オアシス(DSO)、アブダビグローバルマーケット(ADGM)などのテクノロジーの活用が推進されている経済特区で会社設立が可能

ADGMには、ICOやSTOのコンサルティング・指導サービスもある。

ベラルーシ

厳しい規制あり

セキュリティトークンの発行者はハイテクパーク・ベラルーシ(HTP)の入居者でなければならない。

シンガポール

厳しい規制あり

シンガポール金融管理局(MAS)は、広告規制に違反した場合、一部免責の適用を受けられなくなる可能性があるとしている。

ロシア

厳しい規制あり

無資格投資家のブロックチェーン資産購入は制限されており、厳格な認証制度が検討されている。

マレーシア

厳しい規制あり

仮想資産はすべて証券とみなされる可能性が非常に高く、認証取得が必要。

オーストラリア

厳しい規制あり

STO中に誤解を招く広告や虚偽広告をなした場合は、重大な違法行為とみなされる。

 

 

免責事項:上記は情報提供のみを目的としており、いかなる法的助言でもありません。また、上記リスト作成にあたっては、法令の非公式翻訳も使用されています。Legal NodesとLongHashは、上の情報が各国規制当局の方針と一致することを保証するものではありません。



(英語版:https://www.longhash.com/news/315


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